禁煙と生活習慣病
喫煙と結びつく病気としてよく知られているのは「がん」ですが、それ以外にもさまざまな病気との関連が明らかになっています。
特に生活習慣病の治療・予防において、喫煙は大敵です。末梢神経の収縮・高血圧による心臓への負担の増加、悪玉コレステロールの活発化が動脈硬化を進行させ、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などのリスクを高めます。
現在、喫煙をされている方はぜひとも禁煙に取り組んでいただき、生活習慣病やその合併症、がんの予防に努めましょう。
禁煙治療をご希望の方へ
禁煙したいのにやめられない、自分で禁煙にチャンレジしたけれど何度も失敗しているという方は、当院で禁煙治療を受けてみませんか?
禁煙中の健康管理、離脱症状への対応をアドバイスしながら、禁煙補助薬により禁煙を目指します。身体と心、両方からのサポートをいたします。
やめたいのにやめられないのは、ニコチン依存症のため
やめたいのにやめられないという状況は、その方の意志が弱いのではなく、ニコチンへの依存症をきたしているためです。
医師の処方・アドバイスを受けながら、心身の負担を軽減しながら禁煙するのが効率的です。条件が揃えば健康保険が適用されますので、お気軽にご相談ください。
禁煙が保険適用になる条件
- ニコチン依存症のスクリーニングテスト(TDS) が5点以上である。
- すぐに禁煙しようと考えている。
- ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上である。
- 禁煙治療を受けることを文書により同意している。
禁煙治療のスケジュール(保険の場合)
※保険で認められている通院回数は、初診を含めて計5回、期間は約3か月です。
1初診
まずは患者様のお話をお伺いし、健康保険の適用となるかどうかを判断します。禁煙治療を受けようかどうか迷っている、という段階でご相談くださっても結構です。 治療が決定いたしましたら、禁煙をスタートする日を設定し、禁煙補助薬を処方いたします。また、離脱症状が現れたときの対処法などをお伝えします。
2受診2回目
初診日からおおよそ2週間後の受診です。離脱症状が辛い場合には、改めてその対処法を医師が一緒に考えます。
3受診3回目
初診日からおおよそ4週間後の受診です。やや離脱症状が和らぎ、体調の改善をご実感いただける頃です。
4受診4回目
初診日からおおよそ8週間後の受診です。体重が増え、減量が望ましい場合には、そのためのアドバイスを行います。
5受診5回目
初診日からおおよそ12週間後の受診です。禁煙治療も終了を迎えます。
禁煙に成功したという自信を持ってください。もし吸いたくなったときは、ご自身が禁煙を決意した理由(自分や家族の健康のため、節約・貯金のため)、医師から教わった禁煙のポイントを思い出してください
禁煙補助薬について
健康保険が適用される禁煙補助薬には、バレニクリン(飲み薬)、ニコチンパッチ(貼り薬)をご用意しております。
バレニクリン
ニコチン受容体に作用する、ニコチンを含有しないタイプの禁煙補助薬です。
喫煙時に生じる満足感を抑えるとともに、離脱症状を軽減します。
ニコチンパッチ
身体に貼り、ニコチンを皮膚から吸収するタイプの禁煙補助薬です。
離脱症状を軽減します。
禁煙治療の費用
健康保険が適用された場合、治療費の目安は3割負担で2万円前後となります。
2万円といえば、毎日1箱(20本)を吸う方であれば、1カ月と少しの間のタバコ代に相当します。
禁煙に成功すれば、当然それ以降のタバコ代は不要になりますので、経済的でもあります。趣味やご家族との外食・旅行、貯金などを目標にするのも、モチベーションの維持につながります。