- Q1.
糖尿病ってなおらないんでしょ?
- A1.
確かに、糖尿病であることは、一生忘れるべきではありません。
ただ、現在の医療レベルであれば、病態的に難しい患者さんでも、様々な内服薬を組み合わせることで、低血糖なく、糖尿病でなかったころの血糖値に戻すことは可能です。大切なのは、医師任せにせず、患者さんと患者さんのご家族が糖尿病について理解することで、最小限の努力で最大限の効果を得られる生活の工夫を知ることだと思います。 - Q2.
糖尿病の食事療法って、難しいでしょ??
- A2.
患者さんごとに細かい点で違いはありますが、基本的に3点を強調して指導させてもらっています。
- Q3.
インスリンは自分の身体からインスリンが全然でてないから必要なのですよね?
- A3.
残念ながら、1型糖尿病の患者さんについては、インスリンが枯渇している状況の方が多いです。
しかし、多くの患者さんが2型糖尿病であり、またその中でもほとんどの方がインスリンは残存していると考えています。重要なのは、インスリンが出ていないのではなく、出るタイミングが遅れているということです。
- Q4.
インスリンの種類について教えてください。
- A4.
- 追加インスリン(超速効型)
- すぐに効いて速やかに効果が消失する(基本的に毎食前の3回/日)
- 基礎インスリン(持効型)
- すぐには効かないが、緩やかに安定して効いている(1回/日)
当院では、基本的に1回/日のみでいい基礎インスリンしか使用しません。
インスリンは3回/日以上用いて治療(インスリン強化療法)することで確実に血糖が低下するといわれています。
ただ、わたくしは2011年頃より、追加インスリンを使用する代わりに、食前薬(α-GI、グリニド)を用いる治療法を積極的に採用しています。
つまり、食前薬で食後血糖を制御し、基礎インスリンで空腹時血糖を制御する治療法です。(詳細はこちら)この治療法は、専門的はBOT(Basal Suported Therapy)とよばれますが、一般的にBOTは内服薬としては、SU剤やビグアナイド剤といった内服薬が使用されることが多いようです。
- Q5.
インスリンを始めると一生やめられないんですよね?
- A5.
罹病期間(糖尿病を発病してからの時間)が重要にはなってきますが、罹病期間10年未満の患者さんのほとんどは一時的にインスリンが必要でもその後不要になってくることが多いと思っています。 インスリンを使用する意義は、高血糖状態で機能不全状態に陥った自分の膵臓を休める(外からの補充)ことですので、高血糖状態が改善することで、膵臓の機能が回復してくることによって、インスリンの必要量は減少しています。 もちろん、患者さんの生活習慣が乱れていないという前提はありますが、世間一般で思われている以上の患者さんがインスリンから離脱されています。
具体的に述べますと、わたくしは2012年5月から関西ろうさい病院で勤務させていただきましたが、関西ろうさい病院にて、半年以上インスリン療法を施行されていた患者さん(外来のみで入院患者さんは省いています)の約半数が2年後には離脱されておりました。(詳細はこちら)また、インスリンが残っている患者さんの平均単位数も3分の1程度までとなっています。