糖尿病と血糖値|西宮市のあずま糖尿病内科クリニック

糖尿病と血糖値

糖尿病の患者さんにとって、血糖値は体の状態を表わす重要なパロメーター

血糖とは、血液中に含まれる糖(ブドウ糖)のことで、糖尿病とはこの血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。
通常、食事から取り入れた糖が身体や頭のエネルギー源として利用されており、血液中のブドウ糖の濃度は一定に保たれています。
これは、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り入れる役割をしているからです。このインスリンの量が不足したり、働きが悪くなったりすると、糖が血液中に停滞し、血液中のブドウ糖濃度が高くなり高血糖状態になるのです。
血糖が高いということは、体の細胞にエネルギーであるブドウ糖が十分に補給されず、そのため全身の細胞の働きが悪くなり、いろいろなところに障害を引き起こします。これが糖尿病の合併症です。
そのため、糖尿病の治療は、この血糖値をコントロールすることが重要になります。
血糖値の変動が身体の状態を表す重要なバロメータになり、糖尿病治療や管理の指標として欠かすことができません。

血糖値の一日の動きとインスリンの分泌

血糖値は健康な方でも1日の中で70~130mg/dlの間を変動しています。
これは、食事をとると炭水化物がブドウ糖に分解されて血液中に入るため、健康な方も食後は一時的に血糖値が上昇します。

食事により急激に多くの糖が血中に流れ込むと、膵臓にあるβ細胞が感知してインスリンを急激に分泌します。これにより血糖は食前の状態に戻ります。


このため、血糖は変動を繰り返しながら一定の濃度に保たれています。
しかし、このコントロールを行っているインスリンが不足したり、あるいはインスリンの働きが弱くなったりすると、血液中に多量の糖が存在することになってしまいます。
糖尿病の患者さんの血糖の一日の動きとインスリンの分泌は以下の図のとおりです。

このインスリンの不足を補うために、お薬や食事療法、運動などを用いて治療を行います。

健康な方でも血糖値は変更しますが、この変動の幅(波)が大きい場合は注意が必要です。
例えば、HbA1cの数値が正常でも食後の血糖が高いために一日の血糖値の変化の幅が大きい場合があります。
これは、空腹時に血糖が下がっており、インスリンの分泌が遅いため食後に血糖値が上昇します。トータルには遅れて大量のインスリンが分泌されており、HbA1cの値だけみると異常がないのですが、実際には空腹時低血糖になっているのです。
1日の血糖値の変化の幅が大きいと合併症につながる危険性があるので、注意が必要です。

食後高血糖について

空腹時低血糖と逆で、血糖値検査をすると正常であるにも関わらずHbA1c検査が高値の方がいます。このような方は受診の際に食事を抜いていて血糖値は低い値を出していますが、実は食後には血糖値が高くなっているのです。この食後高血糖の方は、食後のインスリン分泌の反応が遅い方です。

食後高血糖では、インスリンの量や働きが低下して、体の組織でブドウ糖を十分に処理することができず、血糖値を正常に戻す働きが非常に弱い「耐糖能異常」の状態にあります。この食後高血糖は、糖尿病の初期にみられることが多いです。食後高血糖は心筋梗塞や脳梗塞など太い血管の動脈硬化を促進することが分かっています。